2011年2月1日火曜日

七人の侍

かなり前から観るぞと宣言していた『七人の侍』DVDでやっと観た。ご存知黒澤明監督。三船敏郎さんが出演。この映画がその後の日本のみならず世界の映画界に与えた影響は大きいと聞く。あるいは、ストーリーは組織論としての見方をされることも多い。時は戦国。野盗と化した野武士集団の略奪に怯え暮らす農村の百姓たちは野武士たちとの戦いを決意する。長老は「侍を雇うだ。」と言う。報酬は「めし」のみ。7人の侍が集まった。リーダーは島田勘兵衛。参謀、女房役、ムードメーカー、凄腕の剣豪、若き剣士。なるほど組織に当てはまるな。それぞれの役割、立ち位置で自分の能力をフルに発揮する。そして、チームには高く掲げる旗が必要だ。この映画に名言は数多くあるが、僕が選ぶ名セリフはこれだ。守備を堅くするためには川向こうの家が犠牲になるが、それもやむなし、とする侍たちに、その家の住人は、よその家を守るために自分の家が犠牲になるのはいやだ。と戦列を離れようとする。他の百姓達に動揺が走る。侍のリーダー勘兵衛は抜刀し、農民たちを一喝する。「人を守ってこそ自分を守れる・・・己のことばかり考えるやつは、己をも滅ぼすやつだ!」と。スゴいな。そして失ったものは大きかったが、野武士との戦には勝利した。エンディングは翌年の村の田植えのシーン。農作業をする百姓達に向かって、勘兵衛が言う。「今度もまた、負け戦だったな…いや、勝ったのはあの百姓達だ…儂達ではない…。」一番したたかなのは百姓達だったのだろうか。